本郷和人 著
定価 | 990円(本体900円+税 ) |
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判型 | 新書版 |
ページ数 | 232P |
ISBN | 978-4-8191-1422-6 |
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発売日→2023年3月24日
●誰が「頼朝の助命」を嘆願したのか
●「実朝の首」はどこに消えた?
●『吾妻鏡』が書かない「粛清劇」
なぜかくも陰惨な闘争が続いたのか
『吾妻鏡』に頼朝が亡くなる前後の記事がないのは有名ですね。
ぼくは今まで、まあそんなこともあるよね、とあまり真面目に考えていませんでした。
ところが広常誅殺の前後も記事がない。これは偶然で済ませられるのでしょうか。(本文より)
東京大学史料編纂所教授の新解釈
はじめに
第1章 鎌倉時代の武士の謎
◎源氏の一族・平賀氏とは
◎頼朝から重用され一門の筆頭に
◎大内氏が「七カ国守護」の訳
◎頼朝から愛された「暴れん坊」
◎合戦の「兵数」を吟味する
◎「実朝の首」はどこに消えた?
◎実朝が見た「母・北条政子」像
第2章 鎌倉幕府を分析してみた
◎「文書のかたち」は変えられない
◎整合性のとれた説をつくるために
◎大内・平賀の拠点を奪った伊賀氏
◎梶原景時||石田三成?
◎なぜ景時が弾劾を受けることになったのか
◎人物の「特質」に焦点
◎「武士政権」3パターン
◎『吾妻鏡』が書かない「粛清劇」
◎頼朝は朝廷に近づきすぎた
第3章 人物像を掘り下げる
◎「武士の鑑」畠山重忠が悪役に?
◎文武両道の武人だった梶原景時
◎名将・韓信と義経の違い
◎義経の勝利は幸運だっただけ?
◎大将は自ら突撃しないはず
◎戦争にも「禁じ手」はある
◎頼朝が最も信頼した一族
◎なぜ安達盛長は北条に鞍替えしたのか
第4章 古文書抜きに日本史は語れない
◎歴史研究者に向くタイプ
◎文書の出し方にも身分あり
◎中世文書は「形式」が重要
◎古文書は応用がきく
◎受取人のヒントは二重敬語にあり
◎貴族がキレる「超越」
◎異例の手紙が示す朝幕関係
第5章 「実証」と「推測」
◎書き間違えこそ本物の証?
◎鎌倉幕府の草創担った文官
◎下文の数奇な運命
◎あなたたちの「実証」とはつまらないものなんだな
◎ガンプラ転売に思う「倫理」
◎部下を「下げつつ上げた」頼朝
第6章 歴史研究者を悩ませる「自作自演」
◎後醍醐天皇が部下になりきった?
◎文書一枚が発想の転換の端緒に
◎歴史研究者を悩ませる天皇直筆の「自作自演」
◎忘却の大学者・平泉澄の「大発見」
◎権力者の私宅=役所?
◎一筋縄ではいかない事情
本郷和人(ほんごう・かずと)
東京大学史料編纂所教授。1960年、東京都生まれ。東京大学文学部、同大学院で石井進氏、五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史、古文書学。博士(文学)。史料編纂所では『大日本史料 第五編』の編纂を担当。2016年、『現代語訳 吾妻鏡』(全巻17冊、吉川弘文館)で第70回毎日出版文化賞(企画部門)を五味氏らと受賞。
著書に『中世朝廷訴訟の研究』(東京大学出版会)、『日本史を疑え』(文春新書)、『最期の日本史』(扶桑社新書)、『徳川家康という人』(河出新書)、『歴史学者という病』(講談社現代新書)など多数。本書の姉妹編に『「違和感」の日本史』『怪しい戦国史』(産経新聞出版)、『戦国武将の選択』(産経NF文庫)がある。