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李登輝秘録

李登輝秘録

河崎眞澄 著

定価 本体1700円+税
判型 四六判単行本
ページ数 320P
ISBN 978-4819113885

以下のオンラインサイトから購入いただけます。

発売日→2020年7月31日


正々堂々、中国共産党と渡り合った男

内容紹介

「日本の新聞記者が冷徹な目で、
台湾がたどった民主化への苦難の道を、
ここまで明確に綴った記事は例がない」
(台湾元総統李登輝)

日本人が「国家とは何か」を考えるには
台湾ほど大切な存在はない

【本書に登場する主な李登輝語録】

☆学生の民主化要求デモに絶対に危害を加えてはならない
☆若者が政治を変えるんだ
☆22歳まで日本人だったんだ
☆日本政府の肝っ玉はネズミより小さい
☆この国(日本)は伸びますよ。まだまだ
☆遺灰は新高山にまいてほしい

目次

  • まえがき 『李登輝秘録』出版に寄せて
  • 李登輝
  • 第1章 虚々実々の中台両岸関係
    ◎共産党筋から極秘電話「ミサイル発射、慌てるな」
    ◎北京で得た言質「台湾に武力行使せず」
    ◎中台トップの極秘ルート
    ◎幻となったシンガポール仲介の「合弁会社」構想
    ◎江沢民が抱いた不信感
    ◎「商売人」への厳しい目
    ◎亡き息子の「親友」も密使に
    ◎「92年合意」という〝毒薬〟
    ◎中国の軍事脅威に「ミサイルは空砲」発言で対抗
    ◎「台湾は台湾であって中国じゃない」
  • 第2章 日本統治下に生まれて
    ◎22歳まで「日本人だった」
    ◎世界史教師の夢を阻まれた台湾青年
    ◎文武両道の「岩里政男」
    ◎「武士道というは死ぬことと見つけたり」
    ◎幻の講演原稿「行動を伴うのが日本精神」
    ◎後藤新平の生き方を追い求める
    ◎「学生時代と今の台湾を重ねると胸が熱くなる」
    ◎「私は永遠に20歳のまま柏先生の学生です」
    ◎「父ちゃん」への思い
    ◎「一番苦労したのはフミ」
    ◎客家(ハッカ)の政治手法は「不屈で頑固」
  • 第3章 大東亜戦争と台湾
    ◎戦死した兄と靖国で「再会」
    ◎「日本人以上に日本人だ」
    ◎綱渡りの参拝は「一生忘れられない」
    ◎台湾青年を救った「カール先生」
    ◎「守ってあげられなかった」
    ◎「日本陸軍歩兵にしてください」
    ◎高砂義勇兵の「英霊は故郷に眠る」
    ◎二つの祖国を生き抜いた者
    ◎終戦直後に起きた「文明の衝突」
    ◎立派に戦って死ぬ理想に燃えた
  • 第4章 政治弾圧時代の苦悩
    ◎亡命運動家と日本で密会
    ◎100人いれば理想郷は夢じゃない
    ◎連行された父の行方
    ◎対極の運命を歩んだ親友・彭明敏
    ◎農業一筋の現場主義で中央省庁入り
    ◎憲兵に突然連行され死を覚悟
    ◎孤立の危機で本省人を登用
    ◎避けられなかった日本の北京接近
    ◎求められた敬虔なキリスト教徒
    ◎蔣経国から政治の帝王学
  • 第5章 蔣経国学校の卒業生
    ◎密命「野党を作らせよ」
    ◎人々の声に耳を傾けた台北市長
    ◎台湾版「列島改造論」
    ◎コーネル大学博士号の金看板
    ◎『千の風になって』に救われる
    ◎亡命学者による米議会ロビー活動
    ◎安全保障に深く関与したレーガン
    ◎民主化を暴力で求める矛盾
    ◎「明らかに独裁政治の終わりだ」
    ◎台湾人の支持がなければ命脈も尽きる
    ◎国民党主席の座を狙った宋美齢
  • 第6章 薄氷を踏む新任総統
    ◎「民主化デモに危害を加えるな」
    ◎宋美齢の政治圧力「Listen To Me」
    ◎暁のクーデター「李登輝おろし」
    ◎「代理総統」からの脱皮
    ◎権謀術数の行政院長人事
    ◎政策に民意のボトムアップも茨の道
    ◎守旧派と共産党を欺くレトリック
    ◎民主化のためならカネで解決
    ◎「内乱罪」ブラックリストを解除
    ◎「直ちに核兵器開発を中止せよ」
    ◎西安事件の真相を語らなかった張学良
    ◎「中華思想の呪縛」から脱却した96年総統選
  • 第7章 静かなる民主革命
    ◎中国と台湾は「特殊な国と国の関係だ」
    ◎リー・クアンユーとの蜜月と決別
    ◎東南アジアとの実務外交へ「南向政策」
    ◎対中投資に制限「急がず忍耐強く」
    ◎「国際機関を突破口に」WTO加盟
    ◎「江沢民がミサイルを撃ち込んだ」
    ◎機密費による日米への政治工作
    ◎「国連への加盟めざせ」
    ◎初の平和的な政権交代
  • 第8章 日本よ、台湾よ
    ◎「日本政府の肝っ玉は小さい」
    ◎「決めるのは日本でも中国でもない」
    ◎龍馬の船中八策が政治改革の手本
    ◎「国家の将来は教育で決まる」
    ◎震災地への支援が深めた絆
    ◎本音を聞いた唯一の台北特派員
    ◎中国支配に「ノー」 200万人の「人間の鎖」
    ◎「まだまだですよ、台湾は」
  • あとがき
  • 幻の講演原稿「日本人の精神」全文
  • 李登輝と家族の年譜
  • 参考文献

著者について

河崎眞澄(かわさき・ますみ)

産経新聞論説委員 兼 編集局外信部編集委員。1959年、東京都練馬区生まれ。日本大学藝術学部放送学科を卒業し1987年に入社。1995~96年にシンガポール国立大学華語研究センターに産経新聞社から派遣留学。経済部記者、外信部記者などを経て2002~06年に台北支局長、2008~18年に上海支局長。2015年から論説委員を兼務。
著書に『還ってきた台湾人日本兵』(文藝春秋)。共著に『日本人の足跡』『闇の中の日中関係』(いずれも産経新聞ニュースサービス)、『食の政治学』『歴史戦』(いずれも産経新聞出版)など。