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小川榮太郎 著
定価 | 本体1600円+税 |
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判型 | 四六判上製 |
ページ数 | 300P |
ISBN | 978-4-8191-1318-2 |
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発売日→2017年9月1日
内外激動のいま、日本にとって平和とは何か。
ベストセラー『約束の日』で総理を描いた著者がその時代を展望。
日本最大の欺瞞と向き合う
日本固有の平和精神と憲法九条の平和主義は何の関係もない
日本の「平和」は歴史によって鍛えられた思想であり、日本精神の中核にあるものです。が、憲法九条は「精神」ではなく、法律の条文にすぎません。
現代日本では「平和」という言葉が、日本人の美しい歴史的あり方への回路ではなく、思考停止の呪文になり、日本潰しを狙う人達の便利な道具になってしまっている。
我々は、「平和」の精神を九条から救い出して、国柄の中に正しく位置付け直し、一方で、正当な安全保障をも九条から救い出さねばなりません。
◎はじめに
◆第一部 譲位と国体
◎第一章 私の「帝室論」――天皇陛下の御言葉を読む
詔勅に近いもの/「祈り」と「国見」/超高齢社会への御指摘/譲位を禁じた三つの理由/皇位継承問題も御指摘/女系天皇容認の危険性/皇室の制度的不備
◎第二章 戦後と天皇――GHQ遺制を生きる皇室
皇后陛下の伝統的皇室観/ストレートに効いたGHQの弾圧/似て非なる「皇族会議」と「皇室会議」/「君臨すれども統治せず」/皇室が消えるという意味/「聖断」の理由/「我が国民全体の信念と覚悟の問題」/ヒューマン・ドラマではなく神話/皇室問題は安全保障問題でもある
◎第三章 譲位の制度化がなぜ必要か――平川祐弘氏に反論する
譲位の制度を確立すべき時/「機能」抜きで百二十五代続かない/天皇の四つの歴史的段階/「務め」への御努力の賜/「象徴の務め」は憲法に書いてない/姿を見せない高齢天皇の可能性/皇太子摂政は一時期しかなかった/身心が損なわれて「祈り」は可能か/天皇の三分の二近くは譲位された
◆第二部 安倍時代
◎第四章 全体主義化の危機に――日本の自由はなぜ守られてきたか
アメリカの衰退/「核を持った特攻隊」/共産党の民進党乗っ取り/民共合作=天皇廃絶/テレビの政治プロパガンダ/自由社会の敵/日本の自由を擁護した皇室/暴力の抑制機能
◎第五章 長期トレンドとしての安倍政治――政党政治が空洞化している
安倍政治はポピュリズムを拒否/自民党が闘っていない/野党も戦術に終始/政党衰弱の二つの理由/政治改革が自民党を痛めつけた/東京大学レジームが温存された
◎第六章 憲法九条二項改正はなぜ必要か――日本精神の中核は「平和」
日本人にとっての平和とは何か/日本の平和精神と九条の平和主義/「お伽噺」から現実の政治日程に/一項は不戦条約と国連憲章の引用/九条の引用元は自衛権を保障/国際法上存在しない「交戦権」/「交戦権」否定で自衛権もない/アメリカの「絶対国防圏」ではなくなった/平和は米軍が運んでくるわけではない
◆第三部 歴史と政治
◎第七章 「侵略」という言葉が議論を封じる――世界史の中のあの戦争
「侵略」の不用意な使用/パリ不戦条約以後の戦争観/共産国家の「人道に対する罪」/「戦争犯罪」が「戦争責任」に/対支那戦争は「侵略」か/日米戦争は双方の自衛権発動/「世界史」で二十世紀を捉えよ
◎第八章 総理を恫喝した「学問」――学徒七十四名の政治文書
英霊が喜んだ談話/何のための、誰のための社説なのか/「学問、学問」の恫喝文書/「学問」ではなくイデオロギー/政治争点化させたのは誰か/学問の政治利用そのもの/欺瞞のレトリック
◎第九章 安倍総理の歴史戦――成果と課題を検証する
安倍談話は「侵略」を認めていない/「村山談話」のコンセプトを脱却/東亜百年戦争史観への転換/中国が引用できない談話/「総理の歴史戦」を時系列で見る/まるで思想家だったオバマ大統領/真珠湾で消えた「反省」/朝日新聞は中韓メディアと呼応/「脱謝罪」を西側メディアが容認/「日韓合意」の文言は破壊的
◆第四部 「日本」逃避
◎第十章 私は『文藝春秋』を取り戻したい――日本の「生き方」
「大人」を追放し続けた戦後/日本語が香らない『文藝春秋』/彼らとは違う日本人になった/性急な非寛容、葛藤の封殺/リアリズムの欠如、子供の虚勢/日本固有の「生き方」を守る/妄言の理由
◎第十一章 吉永小百合さんへの手紙――日本に依存して日本を破壊
「吉永小百合」の魅力/瞬発力の女優/「日本」に依存した作品なのに/現実と理想との混同/「記録」と「表現」/「祈り」ではなく政治のシンボル/安保法制反対の大合唱/日本共産党の「広告塔」
◎第十二章 大江健三郎さんへの手紙――あなたは「天皇」から逃げ続けている
野党政治家の演説のような一節/主題を正面から吟味していない/及び腰で右翼を茶化すだけ/主題を逃れて籠もっている/大江さんに必要な「晩年様式」
◎あとがき
小川榮太郎 (おがわ・えいたろう)
昭和42年生まれ。文藝評論家。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修士課程修了。文藝評論家としての主著は『小林秀雄の後の二十一章』、他に『約束の日 安倍晋三試論』『国家の命運 安倍政権 奇跡のドキュメント』『『永遠の0』と日本人』(以上、幻冬舎)、『最後の勝機――救国政権の下で、日本国民は何を考え、どう戦うべきか』(PHP研究所)、『テレビ局はなぜ「放送法」を守らないのか ―民主主義の意味を問う』(上念司氏との共著)、『一気に読める「戦争」の昭和史――1937→1945』(以上、KKベストセラーズ)、『保守の原点――「保守」が日本を救う』(宮崎正弘氏との共著、海竜社)など多数。