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産経新聞『昭和天皇実録』取材班キャップ 川瀬弘至 著
定価 | 本体1900円+税 |
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判型 | 四六判ソフトカバー |
ページ数 | 200P |
ISBN | 978-4-8191-1314-4 |
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発売日→2017年6月23日
立憲君主とはどうあるべきか。君主は政治とどう関わるべきか。
あの戦争で、終戦の「聖断」はどのように下されたか。
青年期の欧州歴訪を経て、国民とともに歩む立憲君主たらんと志した昭和天皇。現実政治の前で悩み、君主のあるべき姿を体現した87年の生涯を、宮内庁が24年の歳月をかけて編纂した正史『昭和天皇実録』をはじめ560点に及ぶ文献をもとに描く。
【第一部】君主とはどうあるべきか
【第二部】君主は政治とどう関わるべきか
《昭和天皇に関する文献は数多あるが、本書は、(一)宮内庁が平成二十六年九月に公表した、正史といえる『昭和天皇実録』に依拠している(二)昭和天皇の言動を理解するため、時代背景を詳述している――点に、他書にはない特色があると考えている。加えて、激動の時代を追体験できるよう、分かりやすく、リアルな文章表現に努めてきたつもりだ。本書により、昭和天皇への理解をより深めることができればと願っている。》(本文より)
今般の「譲位」にまで続く
天皇と国民の固い絆。
昭和天皇が生きた時代ほど、国民との絆が試された時はなかった。
まもなく迎える「新帝」との絆を、より確かなものとするために。
《壮年期は時代の波に翻弄され、軍部の暴走に悩み、後半生は先の大戦を十字架として背負い続けた。その生涯は、激動の一言ではとても言い尽くせない。ただ、昭和天皇は崩御の直前まで、国民と国家の将来を固く信じていた。》(本文より)
【第三部】平和のため君主はどう動いたか
《慣例上、天皇が御前会議で発言することはない。しかし、この日は違った。……
よもの海 みなはらからと 思ふ世に
なと波風の たちさわくらむ
日露戦争の開始直前に明治天皇がつくった、平和を祈る御製である。立憲君主として、政府と統帥部の一致した決定をくつがえすことができない昭和天皇は、開戦回避の意思を、この和歌に込めたのだ。……
御前会議から庁舎に戻った陸相の東条英機が、大声を震わせた。
「聖慮は平和にあらせられるゾ」》(本文より)